サイトアイコン Diario di un fotografo ubriaco

「 Ai Nikkor 50mm F1.4S です!」好きなレンズを問われたら、真っ先にこう答えるだろう…

「好きなレンズは?」と問われたら、真っ先にこう答えるだろう。

「ニコンの Ai Nikkor 50mm F1.4S です!」

 1980年に発売され2000年までの20年もの長きにわたって販売されたニコンの最高峰、マニュアルフォーカス一眼レフのフラッグシップ機・Nikon F3 と共に1983年に初めて手に入れたレンズだ。

 自分自身がこのレンズで写真を覚えたということもあり、フォーカスの際のヘリコイドの動き、ピントの山の掴みやすさが体(眼)に染み込んでいる。正しくは脳が覚えていると言った方がいいのかもしれないが…。

 最初の1本が調子悪くなって、その後、これまでに同じものを何本か手に入れた。

 しかし、1990年代後半、仕事ではAF機にシフトした。その頃は、仕事以外でフィルム撮影を行う時はもっぱらライカだった。

 AF機に合わせてレンズのラインナップも全てAFレンズに変わり、2000年代に入ってからのデジタル化で、さらにこれらMFレンズの出番はなくなった。

 カメラもレンズも使われてこそ、その存在価値があると思っている。

 だからその当時、他の誰かに、大事に使ってくれる人に、使ってもらった方がいいと思い、F3のボディー2台を残し、F4 や F5 のボディーと、このレンズも含めて持っていたマニュアルフォーカスのレンズ全てを手放した。

 それから20年近くの月日が流れ、昨年、何かの拍子で F3 を触ってみた。写真を始めた頃に感じた言葉では言い表せない、ワクワク、ドキドキするものが蘇ってきた。

 手元に残っていたオートフォーカスのレンズを F3 に装着しても、当然のことだが写真は撮れる。だが、どうもしっくりこない。

 どうせならと Ai Nikkor 50mm F1.4S を買うことにした。そこで驚いたことが…。

 なんと、このレンズ、いまだに新品で購入できるのだ。

 さすがは世界のニコン!

Nikon 単焦点レンズ AI 50 f/1.4S フルサイズ対応

 税込で4万円ちょっとの価格は、驚くほど高いと言ったものではない。しかし、何かの気まぐれで、ちょっと使ってみようと思っただけ。自分の性格からすると、すぐに飽きてしまうことも十分に考えられる(笑)

 それならば、ということで中古を探したところ1万5千円も出せば、かなり程度の良いものがある。

ニコンFマウントレンズ 完全レビューブック (玄光社MOOK PHOTO YODOBASHI SHOOTING RE)

 さらに色々と検索してみたところ、このレンズに出会うことができた。

 Nikon FG とセットでオークションに出品されていたこのレンズ。誰も注目していなかったようで、結局6千円ほどで手に入れることができた。

 さあて、このレンズで何を撮ろうか…。

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